日劇ウエスタンカーニバルで共演した左から萩原さん、沢田。２人はＧＳ黄金期の顔だった＝１９８１年１月撮影
俳優で歌手、萩原健一（本名・萩原敬三）さんが２６日午前１０時３０分、消化管間質腫瘍（ＧＩＳＴ）のため東京都内の病院で死去したことが２８日、分かった。萩原健一さんは１９６０年代後半にＧＳ（グループサウンズ）バンド、ザ・テンプターズのボーカルとして活躍。歌手の沢田研二（７０）が所属したザ・タイガースと人気を二分し、若者カルチャーの象徴になった。７０年に解散後は俳優業にシフト。ドラマ「太陽にほえろ！」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」などが当たり役になり、音楽でも演技でも天才ぶりを発揮し、カリスマとして一時代を築いた。
大阪駅での萩原健一さん＝１９７２年撮影
萩原さんは音楽に演技に唯一無二の個性で、昭和と平成を駆け抜けた。
高校を中退後、１９６７年にザ・テンプターズのボーカルとして「忘れ得ぬ君」でデビュー。「神様お願い！」「エメラルドの伝説」などがヒットし、ショーケンの愛称で人気に。ジュリーこと沢田のザ・タイガースと人気を二分し、ＧＳの黄金期を築いた。７０年に解散後は沢田、先輩格のスパイダースの故井上堯之さんらとロックグループ、ＰＹＧを結成。だが、ほとんど活動しないまま１年で消滅した。
映画「約束」で大阪入り、岸恵子（左）と萩原健一さん＝１９７２年撮影
その後は、演出に興味があったことから、映画監督の故斎藤耕一氏に誘われて映画「約束」（７２年）に助監督として参加。主演俳優が降板し、代役での演技が評判になり、俳優業にシフトした。日本テレビ系「太陽にほえろ！」の新人刑事・マカロニ役は殉職するシーンを自ら提案し、当たり役に。食べ物をひたすら食べるオープニング映像も話題になったドラマ「傷だらけの天使」では水谷豊（６６）とのコンビが人気を集め、脚本家の倉本聰氏（８４）が手がけた「前略おふくろ様」では純朴な板前役を好演。映画「八つ墓村」や「影武者」、ＮＨＫ大河ドラマは「勝海舟」など５作品に出演するなど、多くの話題作で演技派として活躍した。
大河ドラマ「勝海舟」で渡瀬恒彦さんと萩原健一さんは、収録の合間に和やかに談笑
映画「青春の蹉跌」湘南海岸ロケ、２０歳の誕生日に、初々しい水着姿を披露した檀ふみと萩原健一さん＝１９７４年６月撮
「前略おふくろ様」製作発表会、手前左から丘みつ子、桃井かおり、萩原健一さん、梅宮辰夫、坂口良子＝１９７５年撮影
映画「八つ墓村」製作発表で渥美清さん（左）と写真に納まる萩原健一さん＝１９７６年８月
デビュー５０周年を迎えた晩年の２０１７年は音楽活動で原点回帰してアルバムを発売し、初のライブハウスツアーを展開。サンケイスポーツのインタビューに「こだわらずに思うがまま生きたい。“ラストダンス”ではなくて“ラストスタート”にしたい」と充実感を漂わせていた。
萩原健一さんの主な出演作
萩原健一さんの主な楽曲
俳優としては、昨年９～１０月放送のＮＨＫ「不惑のスクラム」で１７年ぶりに地上波連ドラに出演。末期がんで亡くなるラグビーチームの創設者を演じ、極秘闘病の中で演じた同作が遺作となった。当時のサンケイスポーツの取材に「俳優も歌手も身体が続く限り頑張る」と今後の活動に意欲を見せていたが、志半ばで力尽きた。
引用元：サンスポ（https://www.sanspo.com/geino/news/20190329/geo19032905050017-n1.html）
